目的
研究で扱っているのは「モーションを生成する側」ですが、生成した動きが実際の身体で成立するのかは 物理シミュレータで確かめる必要があります。そこで、ヒューマノイドに参照モーションを追従させる 全身制御の枠組みを自分の環境で動かし、生成モーションと物理制御をつなぐ足場を作ることを目的にしました。
WSL や Linux マシンを用意する方法もありますが、GPU をそのまま使えて研究の他の環境と行き来しやすいことを 重視して、Windows ネイティブで動かす選択をしています。
Windows で動かすまで
- Isaac Sim / Isaac Lab の構成合わせ:シミュレータとフレームワークのバージョン組み合わせを合わせ、Python 環境を分離して構築
- Linux 依存箇所のパッチ:パス区切り、シンボリックリンク、シェル起動を前提としたコードを Windows で成立する形に修正
- 学習スクリプトの実行経路の整備:GUI ありの可視化実行とヘッドレス学習の両方を、同じ設定から切り替えられるようにした
- クラッシュ時の切り分け:シミュレータ側の落ち方(起動時 / 初期化時 / 学習中)でパターンを分類し、原因ごとの対処を手順として残した
検証内容
構築後は、ヒューマノイドが参照モーションを追従する学習を実行し、可視化しながら挙動を確認しました。 方策が破綻するケースと安定するケースを見比べることで、 「参照モーションが物理的に無理をしている箇所ほど追従が崩れる」という当たり前だが重要な傾向を 自分の目で確認できました。
関連する取り組み
並行して、四足ロボット Unitree Go2 の歩行方策を強化学習で獲得し、実機の関節制御へ展開する sim-to-real も行っています(研究ページ「強化学習と sim-to-real」参照)。 シミュレータ上での学習と実機での挙動の差を経験しているため、 シミュレーション結果をそのまま信じずに検証する視点を持って取り組めています。